京都のテキスタイル「青衣」さんとMERI|10年愛され続ける「八ツ橋」

MERIでは、毎年新しいデザインを発表しています。

気に入った柄を何年か継続することもありますが、基本的には2〜3年で入れ替え。新しい色や柄との出会いを楽しみながら、少しずつコレクションを変えてきました。

そんな中で、ひとつだけ特別な存在があります。

「八ツ橋」。

京都のテキスタイルブランド「青衣(あをごろも)」の生地を鼻緒に使ったMERIです。

初めて作ったのは、今から約10年前。一度は廃番になったものの、お客様からの人気に後押しされて復刻し、今も作り続けています。

気がつけば、MERIで最も長く愛されているデザインになりました。

京都のテキスタイルブランド「青衣」

青衣さんは、京都を拠点とするテキスタイルブランドです。

日本の文化や身近な風景をモチーフにしながら、どこか北欧のデザインを思わせるような、モダンで温かみのある柄を生み出しています。

「九条ねぎ」「りんご飴」「線香花火」。

柄の名前を並べるだけでも、なんだか楽しくなってきます。

日本人にはおなじみのモチーフなのに、青衣さんの手にかかると、見慣れたものが新鮮なデザインに変わる。

伝統的なものを、いかにも伝統的に見せない。その大胆な色使いや、思い切った形の切り取り方がとても魅力的です。

日本らしさを残しながら、現代の暮らしにすっとなじんでしまう。そんな絶妙なバランスが、青衣さんのテキスタイルにはあります。

生地だけでなく、さまざまなプロダクトも展開していらっしゃるので、新しい柄が発表されるたびに、今度は何をモチーフにされたのか、またそれがどんなアイテムになっているのか。
つい覗いてしまいます。

青衣 公式オンラインストア

一目惚れした「八ツ橋」

青衣さんの数あるテキスタイルの中でも、特に心をつかまれたのが「八ツ橋」でした。

八ツ橋といえば、言うまでもなく京都を代表する和菓子。

あの三角形が、なんともかわいらしい。

京都のお菓子を描いているはずなのに、ぱっと見ただけでは幾何学模様のようにも見える。
和柄という言葉だけでは収まらない、不思議な魅力があります。

初めてこの生地を見たとき、すぐに「これをMERIの鼻緒に使いたい!」と思いました。
なぜかその時に土台の色も、このグレーがかった青にしようと決めていました。

布ぞうりの鼻緒は、足元の印象を決める大切なパーツ。

使う生地の面積は小さいけれど、だからこそ柄の面白さが際立ちます。どの部分を切り取るかによっても、表情が変わってくる。

この「八ツ橋」は、まさにMERIの鼻緒に使いたくなるテキスタイルでした。

手捺染という、もうひとつの手仕事

青衣さんのテキスタイルは、「手捺染(てなっせん)」という技法で染められています。

染料を混ぜた糊を型に流し込み、布に色を刷っていく。色ごとに工程を重ねながら、少しずつ柄が姿を現していく染色技法です。

完成した生地だけを見ていると、ついデザインの面白さに目が向きます。

けれど、その鮮やかな色や美しい柄の向こうには、染色に携わる人たちの仕事がある。

今回、染色工程の写真を送っていただきました。

何もなかった布に色が重なり、少しずつ見慣れた柄になっていく。その過程を眺めていると、一枚の生地ができるまでにも、たくさんの手間がかかっていることがよくわかります。

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MERIもまた、職人が一足ずつ手で編み上げる布ぞうりです。
京都で染められた生地が、東京で作るMERIの鼻緒になり、それぞれの場所で積み重ねられたものづくりが、ひとつの布ぞうりの中で出会うということに私たちも熱いものを感じています。

一度は廃番に。それでも戻ってきた「八ツ橋」

「八ツ橋」を作り始めて、約10年です。完売とともに、一度は生産を終了したものの、人気が根強く、そして私たち作りても愛着があり、再び作ることになりました。

新しい柄は毎年のように登場しますし、色の流行も変わっていきます。
そんななかでも「八ツ橋」は、風格があり、私たちの中では完全体です。
色柄ともに日本らしいけれど、いかにも和風ではないですし。

10年経っても飽きずに作り続けられるのは、青衣さんのデザインに、流行だけでは語れない魅力があるからなのだと思います。

石原さとみさんにも履いていただいた「八ツ橋」

「八ツ橋」には、もうひとつ忘れられない思い出があります。

東京メトロのCMで、石原さとみさんに八つ橋を履いていただいたことです。コロナウィルスが蔓延したあのパンデミックの少し前でした。

MERIをCMの会場に選んで頂き、履いて撮影して頂きました。これは私たち作り手にとって
、長く作り続けてきた商品が、こうして多くの方の目に触れる機会をいただけたのは、とてもうれしい出来事でした。

MERIの歩みを振り返るとき、「八ツ橋」はやはり欠かせない存在です。

京都のデザインと、東京のものづくり

京都の和菓子から生まれた、青衣さんのテキスタイル。

その生地を鼻緒に使い、東京の職人が一足ずつ編み上げるMERI。
京都と東京、ふたつの土地のものづくりが重なって生まれた「八ツ橋」。

毎年新しいデザインを考えながらも、こうして長く作り続けたいと思える柄に出会えたことは、私たちにとってうれしいことです。

日本の文化を感じられるけれど、決して古めかしくない。日々の暮らしの中で、気負わず楽しめる。

そんなものづくりを、これからも続けていきたいと思います。

東京・両国の直営店舗MERIと、公式オンラインストアでご覧いただけます。
10年愛され続けてきた一足を、ぜひ手に取ってみてください。